ソファの座り心地が悪いから引っぺがしたら森脇健児がいた

あのさぁ

今日さぁ、テレビ見てたんだよね。

ソファで。

ゆっくりくつろいで家族団らんってとこよ。

 

でも、なーんかさ

ソファの座り心地が悪いんだよね。

ゴツゴツしてるっつーの?

なんかいつもと違うのよ。

 

これはあれだ、子供のおもちゃが下敷きになってるなって思ったのよ。

よくあるからね。

んでさ、うちのソファって座るとこ外れるタイプだから引っぺがしたのよ。

そしたらさぁ

 

森脇健児がいたんだけど。

 

え?

 

知ってる?タレントの森脇健児さん。

やる気!元気!森脇!の森脇健児。

その森脇健児がさぁ

 

仰向けに寝てるんだわ。

 

ソファの下で。

とりあえずさぁ

座るとこを、ソッと戻すよね。

 

え?

 

どうすんのこれ?

 

我が家でなにが起きてんの?

とりえずさぁ

ほっぺをつねるよね。

夢かどうか確認するこれ、漫画だけの話かと思ってたら、こんな状況だとほんとにやるんだね。

 

んで、つねってみたわけだけども

まぁ痛いよね。

当たり前だけど、痛いんよ。

ということはさぁ

 

夢じゃないんだわ。

 

まぁ気付いてたよ。夢じゃないってことくらい気付いてた。

でもさぁ

ソファの下に森脇健児がいるって非現実的な出来事を直視できなくてさぁ

限りなく低い夢の可能性に賭けてみたんだよね。

 

んで結果は現実だったわけよ。

どうなってんの?

俺の脳のキャパ超えてんだけど。

思考回路はショート寸前なんだけど。

俺がドンキーコングだったら樽に入って、ソッコー緊急脱出なんだけど。

 

だってソファの下に森脇健児がいんのよ。

んで、これがまたまったくの無音なんだよ。

あまりに無音すぎて逆に怖いんよ。

無音すぎて、さっきのは白昼夢だったんじゃないかって思ってきてるんだよね。

夜だけど。

 

・・・・・・・。

 

まぁでもそうだよな。

冷静に考えれば、ソファの下に森脇健児がいるなんてあり得ないか。

そりゃそうだよな。

 

こんななんの変哲もない我が家に、森脇健児がいるわけないもんな。

そもそも森脇さんだってそんな暇じゃないよ。

タレントなんだから、俺みたいなパンピーが想像もできない忙しさだよな。

 

なぁーんだ

幻覚かぁ

そうだよな。幻覚ってわかりゃ安心だよ。

じゃあもうソファの下は安心ってこった。

ソファをひっぺがしても森脇健児はいないってこったな。

ははは、俺も働きすぎだなこりゃ

 

パカッ

 

 

いた。

 

 

とりあえずソッと戻すよね。

 

え?

 

マジでどうすんのこれ?

 

やっぱりいるよね

あのさぁ

これ幻覚じゃないわ。

現実だわ。

 

だって森脇健児のぬくもり感じたもん。

生きてる人間のソウル溢れ出てたもん。

目とかなんかカッ!と見開いてたもん。

 

こえぇ…

 

でもさ

ここで逃げ出すわけにはいかないんよ。

碇シンジでも逃げ出すこの恐ろしい状況でも、俺は逃げ出すわけにはいかねぇんだわ。

 

なぜならここは我が家だから。

このまま森脇健児を、ソファの下に置いとくわけにはいかねぇんだわ。

 

だからさ

意を決してまたソファを引っぺがしたよね。

この恐ろしさわかる?

 

「確実にいるであろう森脇健児と対面する怖さ」

 

確実に漏れるであろう便意で乗る、快速列車並みに恐ろしいんよ。

 

それでも逃げずに引っぺがしたよ。

そして目を見開いて一点を凝視する森脇健児にこう問うたのよ。

 

「森脇健児さんですよね?」

 

って。

そしたらさぁ

 

そうです。

 

って。

 

そうだろうよ。

そうだろうがよ。

お前は森脇健児だよ、間違いなく。

 

それでも俺は逃げなかったよ。

心の中で、大事MANブラザーズのそれが大事がエンドレスで流れてたよ。

 

んでさぁ

意を決して聞いてみたんだわ

 

「何してるんですか?」

 

って。

そしたらさぁ

 

横になってます。

 

って。

もうグニャ~ってなったね、グニャ~って。

カイジばりに目の前が歪んだよ。

 

だって当たり前のことなんだもの。

横になってるのは見りゃわかるもの。

オウム返しなんだもの。

 

そういうんじゃなくて、一体ここで何してるんですか?のニュアンスで聞いたんだよね。

それが横になってるときたもんだ。

当たり前体操だよね。

そうこうしてたら、だんだんさ

 

腹立ってきたんだよね。

 

だってそうじゃん?

ここは俺の家じゃん?

いくら35年ローンのウサギ小屋でも、ここは立派な俺の城だから。

しかもソファといえば、俺のキングオブ落ち着く場所だから。

そんなマイ癒しスポットで、勝手に寝てる森脇健児に腹が立ってきたわけよ。

 

そしたらもう今までの恐怖とかどっかいっちゃってさぁ

フツフツと怒りの感情が込み上げてくるわけよ。

んで、もう思いっきり引っぺがしたよね。

引っぺがして、一喝してやったのよ。

 

森脇何しとんじゃコラァア!!

 

ってね。

 

まぁ俺は元ヤンキーだから、恫喝なんて朝飯前なんだよね。

中古のワゴンRで、ドンキの駐車場に夜な夜な行ってるタイプだから。

なんかEXILE好きの、ピンクのキティちゃんサンダル履くタイプのギャルと付き合ってたから。

ヤンキーなんよ。

 

まぁそんなヤンキーの血が騒いで一喝してやったんよ。

そしたらさぁ

 

もう男らしい俺の姿に、嫁はウットリだよね。

息子は頼もしいパパを誇りに思うよね。

犬は宅急便に吠えまくりだよね。

 

まぁ俺が本気出せばこんなもんなんだけど

 

そしたらさぁ

森脇の野郎うろたえちゃってさ。

オロオロしながらこう言ってくんの

 

あなたこそ人の家で何してるんですか

 

って。

 

ハハハハッ!

 

 

・・・・・・。

 

 

え?

 

 

結論:森脇さんちだった。

 

おしまい。

 

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