合コンで恐ろしく速い手刀を披露したら見逃さない女子がいた

あのさぁ

この前、合コンいってきたんだよね。

もちろん数合わせのためだけに仕方なく呼ばれたんだけどさぁ

それでもまぁ行った以上、チャンスはあるじゃん?

だからさぁ

犬のマークがついた上下セットアップに、金のネックレス、キティちゃんのサンダル、中国製のヴィトンのセカンドバッグ持ってさぁ

まぁ、俺が出来る最高峰のオシャレして行ってきたわけよ。

合コンという名の戦場に。

 

まぁまぁ、俺ってさぁ

自分で言うのもなんだけど

 

死ぬほどモテないのよ。

 

人生でモテたことなんぞ、一回もない。

自慢じゃないが、高校の部活はバレンタイン呪う部だったから。

俺の呪いの力が強力過ぎて、リア充カップルが次々と体調崩したから。

 

例えばさぁ

地球に隕石が衝突してさぁ

俺以外の男子がみんな死滅したとすんじゃん?

そんな漫画みたいな展開になってもさぁ

俺はモテない自信があんのよ。

 

とりあえずさぁ

多分、男子が俺だけだったら崇められるじゃん?

とりあえずは崇めてくると思うんだよね。女子たちは。

だって男は俺一人なんだもん。

崇めざるを得ないよね。

んでさぁ

日頃、崇められ慣れてなんてないからさぁ

緊張すんじゃん?

緊張のピークが超えちゃうとさぁ

 

「一万年と二千年前からガム噛んでるー」

 

とかってわけわからん歌を歌いだしちゃうのよ。

これ持病なんだわ。

これで女子たちがドン引きだよね。

それで俺のハーレムは終わりだよね。

 

世界の総人口が約76億人でさぁ、その半分が女子だとしても38億人じゃん?

1/38億という奇跡の男なのに、キモがられて絶対モテないよね。

 

まぁ、前置きが長くなったけど

要するにそれだけ俺はモテないんだわ。

 

そんな俺が合コンになんの用って思うじゃん?

なにしにきたの?帰れカスって思うじゃん?

 

ところがどっこい(死語)

そんなモテない俺でも、人には真似できない特技があるんよ。

その特技だけを頼りにね、合コンという戦場を渡ってきたからさぁ

ちょっとその時の様子を話すわ。

特技ってなによ?

気になる?

気になるよね?

気になって夜しか寝れないよね?

 

しゃあねぇ、特別に君にだけ教えてやるよ。

これベネフィットってやつだから。

ベネフィットでプライオリティ高めのエビデンスってやつだから。

 

まず大前提としてさぁ

俺さぁ

 

クロロなのよ。

 

知ってる?クロロ・ルシルフル。

ハンターハンターのさぁ、幻影旅団って盗賊の団長なんだけどさぁ

 

あれ俺なんだわ。

 

あー、もちろんモデルよ?モデル。

クロロ本人ではないけど、クロロのモデルになったのって俺なんだよね。

これめちゃめちゃシークレットだから。

こんなんバレたらジャンプ編集部に消されるから。

だからみんなもお口にチャックでスーパークレイジー君でよろしくぅ!って感じなんだけどさ。

 

話を戻すけど

俺って当社比なんだけどさぁ

 

結構イケメンなのよ。

 

当社比ではな。

 

何を隠そう、新宿歌舞伎町を牛耳る窃盗団のボスだったんだよね。

あ、元な。

 

今はブラック企業で上司に「くそったれお前より地蔵の方が役に立つ」って毎日暗示のように言われて、精神科に通ってるしがないサラリーマンよ。

だけど昔は泣く子も黙る、暗黒街のボスだったんだぜ?

中古のワゴンRに運転手付けてさ、歌舞伎町を歩こうもんなら、みんなが道を開けたもんよ。鼻つまみながら。

そんな闇の世界の生きる屍、バイオレンス食物連鎖、イッツァダークヒーローの俺をさぁ

富樫が見つけやがったの。

 

ぜひ君をモデルにしたいって。

ちょーかっこいいだけど?って。

君、ちょーかっこいいからモデルにしたいんだけど?って。

 

だからさ、言ってやったのよ。

 

はぁ?ふざけんじゃねぇ。

てめぇ俺を誰だと思ってんだコノヤロコンチクショウめ

って。

 

そしたらさぁ

ちょーかっこいいからモデルにしたいんだけども?

って。

 

あーダメだこいつ、話通じねぇや。さすが富樫って感心しちゃってさぁ。

しゃあないからOKしたんだよね。

OK牧場!つって。

 

んで、結局クロロのモデルに決まったんだけどさぁ

なにを思ったか富樫のバカ、俺の特技までもパクったんだよね。

それがさ、漫画でお馴染みの

 

恐ろしく速い手刀。

 

あれ俺のだから。

クロロじゃなくて俺の技なんだよ。

富樫のバカが勝手にパクったんだわ。

あれ俺の超必殺技だからね。

 

そりゃもう大激怒だよ。

めちゃめちゃ抗議したよ。集英社に。

 

オロロロロロ!つって、オロロロロロ!つってね。

 

もう集英社のエリート編集マンもビビっちゃってさ。

そりゃそうだよね

歌舞伎町の揚げたてエビフライと呼ばれたこの俺が怒涛の勢いでブチ切れるんだもの。

ビビッてすみません!すみません!ってさ

 

んで、まぁ

なんか書くのめんどくさくなってきたから、はしょるけどさぁ

とにかく、あーだこーだのそんなこんなで

俺はクロロで恐ろしく速い手刀が使えるっつーことなのよ。

OK牧場?

いよいよ合コンなんですけども

友A「こんにちは~、初めまして~」

友B「みんなめちゃ可愛いじゃん!」

女子A「え~そんなことないですよぉ」

友A「マジマジ!みんなモデルさん?って思ったもん!」

女子B「もぉ、褒めすぎぃ」

友B「本当だって!なぁ、お前もそう思うよな?」

 

俺「ビーマイベイベー…ビーマイベイベー…」

 

友B「・・・・・」

友A「じゃあみんな自己紹介しよっか!俺はAです!SEやってます!」

友B「Bです!広告会社に勤めてます!」

 

俺「ビーマイベイベー…ビーマイベイベー…」

 

友AB「・・・・・」

友A「ちょ、お前さっきから何ビーマイベイベー歌ってんだよ~」

友B「ごめんね~、こいつ合コン慣れてないから緊張しちゃってさぁ」

 

俺「ビーマイベイベー…ビーマイベイベー…」

 

女子A「あはは、かわい~!じゃあ私はAでーす!医療事務やってまーす!」

女子B「Bでーす!看護師でーす!」

 

女子C「別にいいじゃん名前なんて。だって呼ぶことなんてないもん」

俺「同感だな。互いに流儀も思考も違うんだ。」

 

友AB・女子AB「・・・・・・」

 

友A「あ、じゃ、じゃあ乾杯しよっか!」

女子A「そ、そうだね!かんぱ~い!」

友B「イエーイ!」

 

シャッ!!

 

女子C「・・・!?」

 

女子C「今のシーン巻き戻せるか?」

女子B「え?なにが?ちょっとC~、あんた今日なんか変よ~?」

 

女子C (恐ろしく速い乾杯…私じゃなきゃ見逃しちゃうね…)

 

俺 (ほう…俺の乾杯に気付くとは…何者だ?この女…)

 

ワイワイ ガヤガヤ  キャハハハ

 

店員「お待たせしました、こちらアヒージョでーす」

 

女子A「わぁ!おいしそぉ!」

友B「食うべ食うべ~」

 

女子C「・・・!?」

女子C (匂う…匂うぞ…)

女子C (にんにくの道標…わざと食って、息を吐く…)

女子C (同類にのみわかる程度に…香るように…)

女子C (仲間だお前は…私と同じ…)

 

 

女子C (コミュ障…!)

 

 

ガタッ!

 

 

女子たち「キャッ!」

友AB「きゅ、急に立ち上がってどうした!?」

 

 

俺「1対1(サシ)でやろう…」

 

女子C「ああ…」

 

 

結論:お持ち帰りした。

 

おしまい。

 

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