おしゃれなカフェでふいに白日歌ったら店員にぶん殴られた

あのさぁ

ブロガーならさぁ

 

おしゃれなカフェに憧れるよな?

 

しゃれおつなカフェでさぁ

マックブックのりんごちゃんひけらかせてさぁ

ノマドっぽい雰囲気を醸し出すのが

 

ブロガーの醍醐味だよな?

 

異論はないよね?

 

まぁノマドだか網戸だか知らねぇけど

俺はそんなおしゃれな感じで記事書きたいわけなのよ

 

いつもさぁ

食卓テーブルでカチカチやってんだけどさぁ

 

まぁ犬は吠えるは、息子のフォートナイトの銃声は響くは、嫁は韓国ドラマみて嗚咽するはで

 

要するに、阿鼻叫喚の地獄絵図なんよ。

 

そんな環境なもんだから、こんな誰の得にもならねぇ記事ばっか量産されてさぁ

サーチコンソールもいい迷惑だよね。

それもこれも全部環境のせいなんだなぁ。

まぁそんな感じでさぁ

とにかく俺はおしゃれなカフェでノマドっぽいことしたいのよ

ってことでちょくら行ってくるわ

森のルンルンくまさんカフェ

っつーわけでさぁ

きたよ。

俺が住んでるド田舎で最もしゃれおつであろうカフェ

 

森のルンルンくまさんカフェ アルファ2号店

 

ここならノマドがわんさかいるからさ。

地元じゃノマドほいほいなんて呼ばれてんだぜ?

 

まぁノマドだかインドだか知らねぇけどさ

とにかくパソコン開いて、仕事できる感出したいわけよ

 

まぁ、つってもさ、俺もまったく無策できたわけじゃないよ?

地元1おしゃれなカフェに行くからには、当然おしゃれしていく必要があらぁな?

そういうTPOはわきまえてる系男子だからさぁ

とりあえずさぁ

 

ミンクの毛皮のコート着て、のび太並みの半ズボン、キティちゃんのサンダル履いて、当然、サングラスはケミストリースタイルだわな。んで、仕上げにでっけぇピカチュウのリュック背負ってさぁ

 

まぁ俺ができる最高峰のおしゃれで立ち向かうわけよ。

森のルンルンくまさんカフェに。

 

これならさ、いかにもノマド感出てるっしょ?

まぁノマドだか発光ダイオードだか知らねぇけどよぉ

ちょっくらいってくんぜ!!

カランコロンカラーン

バイト「いらっしゃ・・・・・!?」

俺「うへへ…おひとり様です…」

バイト「ちょ、ちょっとお客様お待ち下さいね~」

 

バイト「店長!ヤバい奴きてます!」

店長「お客様をヤバい奴とはなんですか。いいですか?服装で判断してはいけませんよ?お客様は全て平等です」

 

店長「お客様、大変お待たせしました。おひとり様でよろしいですか?」

俺「二人に見えますぅ?だったらそれは幽霊ですね!ひょっとして織田無道ですかぁ?うへへ!」

店長「左様でございますね。それではこちらの席へどうぞ」

バイト「か、完璧にいなしてる…店長すげぇ・・・!」

 

店長「こちらメニューになります。それではごゆっくりどうぞ」

 

店長「あとは頼みましたよ?いいですか?お客様は神様です」

バイト「う、ういっす…」

 

バイト「…ご注文はお決まりですか?」

俺「えっとねー、コーシーください。9個」

バイト「コーヒー9個ですね…なんのコーヒーにしますか?」

俺「な、なんの・・・?」

バイト「ええ、当店は色々ご用意していますので」

俺「ひ、冷で・・・」

バイト「冷?あぁ、アイスですね。なんのアイスにしますか?」

俺「な、なんの・・・?」

バイト「だからアイスコーヒーでもいっぱいあるんですよ。メニュー見ました?」

俺「え、あ、じゃ、じゃあ、おいしいやつで…」

バイト「だーかーらー!メニュー見て商品名言ってもらえます!?」

俺「ひぃぃぃ!」

 

店長「いけませんよ?そんな大声出しては。どうしました?」

バイト「あ、店長!こいつマジでイラつくんですけど」

店長「私に任せて、君は下がりなさい。お客様大変失礼致しました。」

 

俺「あのバイト短気すぎ。クビにしてよ」

バイト「オラァ!!」

俺「ひぃぃ!!」

 

店長「下がっていなさい。申し訳ございません、きちんと教育しておきますので」

俺「頼むよまったく。」

店長「ご注文なんですが、おいしいアイスコーヒーをご希望とのことで、当店おすすめの『ある日、森の中、衝撃のコーヒーさんに出会った。セカンドシーズン』はいかがでしょうか?」

俺「ん~?まぁそれでいいよ。さっ、こっちはノマドだからさぁ、作業しなきゃいけないわけよ。わかる?わかったらさっさと行ってくれる?」

店長「かしこまりました。失礼致します」

バイト「くっ…腹立つわぁ…」

 

俺「さぁてと、ブログでも更新しますか。せっかくおしゃれなカフェにいるんだからおしゃれな記事を書きたいね」

俺「よしっ、タイトルは『毎朝駅で見かける女子高生に陰でにらまんじゅうって呼ばれてた』にしよう!おっしゃれ~!」

 

俺「おっ、隣の席のカップル、ノマドっぽいなぁ~。ブロガーカップルかぁ?あ~あ、マックブックそんなに強調しちゃって…あいたたた」

俺「いいかね?真のノマドはさりげないものなのだよ…?隅っこの席を取り、申し訳なさそうに富士通のノートパソコンを開くのがモノホンのノマドってもんよ!」

俺「こんな感じでな!あーらよーっと」

 

俺「・・・・・!!??」

 

 

ノ、

ノ、

ノ、

 

ノートパソコンと間違って…

 

 

 

飛び出す絵本もってきちゃった…

 

 

 

俺 (どどどうすんだよこれ!おい!ノマドできねぇじゃん!おしゃれなカフェで飛び出す絵本飛び出させてたらただのヤベェ奴だろぉが!どうすんだよおい!おい!おいぃぃ!!?)

 

バイト「お待たせしました~ある日、森の中、衝撃のコーヒーさんに出会った  セカンドシーズン9個です」

 

俺「やかましいわ!ボケコラカス!!誰がこんなコーヒー9個も飲むねん!さっさと8個下げんかい!!」

 

バイト「おわっ!なんなんだよ…お前が頼んだんだろ…」

 

俺 (どうする?どうする?なんかあのカップルの彼女笑ってねぇか?いや、確実に今、俺を見て笑った…!俺をとんだピエロだと嘲笑してやがる…『お、おしゃれなwおしゃれなカフェでwwと、とびだす絵本ってwww』って顔していやがる!!はぁ?っざっけんな!貴様コラお前!言っちゃならねぇことを口にしたな?吐いた唾は飲ませんぞ!?)

俺 (ふっざけんじゃねぇよ!貴様、俺を誰だと思ってやがんだ!?ただの社畜だぞ!?ええ、ただの社畜ですとも!毎日一生懸命頑張ってる社畜は、たまの休みにおしゃれなカフェでノマドっぽいことすることすら許されねぇのか?社畜には人権がないんですかねぇぇえ!?)

俺 (っざっけんな!っざっけんなっっっ!!貴様らツイッターで、カップルブロガーとか名乗っちゃって、控えめに言って彼女のこと好きです。とかって意味の分からねぇことつぶやきやがって!控えめってなんだよ!?控えてぇんなら控えてろよ!出しゃばんな!水戸黄門か?貴様は?つぶやくな!そんなくだらねぇツイートでタイムラインの貴重な一枠を使うんじゃねぇよ!んでそんなのに限って100いいね超えやがって!ふざけんなクソがっ!どうなってんだこの世の中はよぉ!)

俺 (大体よぉ!おしゃれなカフェにくんなよ!貴様らなんぞ存在そのものがおしゃれなんだから、もうおしゃれは間に合ってるだろぉがよぉぉお!これ以上おしゃれを欲張るな!欲しがりません!勝つまでは!ブログのトップ画もさぞおしゃれなんでしょうねぇ?えーえー!羨ましいかぎりですわぁ!こっちゃSEOもガン無視の精神イカレテる奴が書いたとしか思えねぇ記事量産しまくってよぉ?こんなんばっか書いてたら頭もおかしくならぁな?)

俺 (一銭にもならねぇんだよ!一銭にもよぉ!アドセンス審査で意味不明なコンテンツとかって落とされてよぉ、意味不明なコンテンツだぁ?はぁ?てめぇグーグルこら、ぐぅの音も出ねぇよ!てめぇに言われなくても理解してっからぁ!意味不明なコンテンツをあえてですけどぉ?あえて作ってるんですけどぉ?グーグルさんよぉ!神か?貴様は神か?おい!人を天上から見下ろしやがって天竜人かなにかですかねぇぇぇ!?貴様の気まぐれアップデートで何人死者出したのかわかってるのかなぁぁあ?)

俺 (大体GAFAだかFIFAだかなんだか知らねぇけど、巨大IT企業だぁ?ふざけんじゃねぇよ!俺が世界を牛耳ってるなんて顔しやがってよぉ!誰が決めたのぉ?俺は認めてねぇからな!バーーーカ!!この世界を牛耳ってるのは、紛れもなく星の数ほどある中小企業なんだよ!中小企業で毎日毎日、汗水垂らして働いてる我々が優勝なんですけど?なめんなぁ!社畜なめんなぁぁあ!!)

俺 (働き方改革ぅ?はぁ?なにそれおいしいのぉ!?てめぇ菅総理なめてんのか?改革ぅ?革命軍ですかぁ?あなたサボですかぁ?てめぇ今日からサボ総理に改名しろやボケカスボケ!んなもん大企業のみだから!大企業に勤める勝ち組のみの恩恵だからな!ムーンプリズムパワーでもどうにもならねぇ現実がここにはあんだよ!こちとら昭和から考えが止まってる古い奴らが会社を牛耳ってますからぁ!パワハラモラハラ当たり前!風邪引きました。オロナインでも塗っとけ!これ昨日の出来事!軍隊かここは?はぁ?時代は令和?令和ってなんだよそもそもよぉ!新しい元号予想で候補にも挙がってなかったじゃねぇかよぉ!どっから出てきたんだよ令和はよぉ!!はいひょっこりはんってか?っざっけんなっ!!っっっざっけんなっっっ!!ひょっこりはんコラァァアア!!!)

 

俺(はぁ…はぁ…)

俺(あれ…俺、何にキレてたんだっけ…?)

 

俺「うぅ…グスグス…」

俺「なんなんだよ…なんで神様は俺にこんなひどい仕打ちをするんだよぉ…」

俺「う…う…うわーん!うわーん!」

 

バイト「て、店長…あいつ今度は泣き始めましたよ…」

店長「いいんですよ。人間、泣きたい時もあるでしょう。そっとしておきましょう」

 

俺「うぅう…ばっちゃー助けてよーばっちゃー…」

俺「ばっちゃ、会いたいよ…優しいばっちゃ…いっつも俺の味方でいてくれたばっちゃ…」

 

 

~回想~

 

チビ俺「うわーんうわーん!」

ばっちゃ「おお、よしよし。またいじめられたのかい?」

チビ俺「グス…グス…」

ばっちゃ「ええかい?てんちゃんや…生きていたらね、たっくさん嫌なこともあるんだよ。悲しいことも辛いことも、これからてんちゃんにいっぱい起こるの。でもねぇ、そんな時の魔法の呪文知ってるかい?」

チビ俺「ばっちゃ、そんなまほうあるの?ぼくでもちゅかえる?」

ばっちゃ「えーえー、使えますとも。てんちゃんがいい子にしてれば必ず助けてくれるんだよ」

チビ俺「ばっちゃ!おちえて!そのじゅもんおちえて!」

ばっちょ「よしよし、よくお聞き。これから先ね、てんちゃんが悲しい時にはね、「白日」を歌うといいんだよ」

チビ俺「はくじちゅ?」

ばっちゃ「そう、白日。これはね、死んだじっちゃが漁に出る時、よく歌っててねぇ。ばっちゃもねぇ、どんな辛いことがあってもこれを聞くと不思議と元気になったものなのよ」

チビ俺「ぼくもはくじちゅうたうー!」

ばっちゃ「そうかいそうかい、それじゃあ一緒に歌おうかい。せーの、ときーにはー」

 

 

はっ!

 

俺「そ、そうだ!ばっちゃが教えてくれたんだ!困った時は白日を歌えって!ばっちゃありがとう!ばっちゃ…天国から見ててくれよな!強くなった俺を!」

 

俺「・・・・・すぅ」

 

 

 

ときー にはー だーれかをー

 

 

 

バイト「え?」

 

 

 

しーらずしらずの うちにきずつけーて

しまっーー  たりーー

 

 

 

バイト「ちょっとちょっと店長!なんか歌い出しましたけど!」

 

 

 

うしぃなったりー してーはじめてー

おかしたつみをーーしるぅーーーーー

 

 

 

バイト「音痴…!圧倒的、音痴…!」

 

 

 

ゆきがーーー

ふりしきぃーろぉうとむぅぉーーー

 

 

 

バイト「いやいや、ヤバすぎだろこいつ…」

 

 

 

いまのぼくに

店長「うるせぇ!!!」

 

バキィ!

 

 

結論:ばっちゃ…殴られたよ…?

 

おしまい。

 

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