鏡の前で「風が止まった…なにか…くる…」って言ってたら嫁に見られてた

あのさぁ

男ってやつぁさぁ

かっこつけたい時ってあるよね?

 

ないとは言わせないよ?

 

俺はさぁ

発作的にくるのよ

かっこつけたい病が。

 

んでさぁ

誰でも一回はあると思うんだけど

鏡の前でかっこいいセリフ言ったりするじゃん?

 

それ俺の中でルーティンなんだよね。

まぁ、中二の頃から毎日欠かさずやってきたんだわ。

ちなみに昨日は

 

「この国で…年間何人の行方不明者が出てるか知ってるか?」

 

だったんだけどさ。

かっこよくね?

なんか凄腕の殺し屋感出てるっしょ?

 

まぁ、かっこつけるからには絶対バレない完全犯罪でやってきたんだよね。

それがかっこつけ道の流儀だから。

そんな甘いもんじゃないんだよね。

嫁にバレてるようじゃまだまだ三流なんだわ。

バレたけど。

 

基本的には、嫁・息子が寝静まったのを確認してからやるんよ。

嫁がレム睡眠の可能性を考えて、テレビを大きめの音量で流してさ。

万が一聞かれても、ん?テレビじゃない?で通るようにしてんのよ。

そこまで準備万端でやってたのに

 

バレたんよ。嫁に。

 

はぁ?

 

もうさ、俺の中でなにかがガラガラと崩れる音がしたよね。

あ、これもかっこつけましたすんません。

 

まぁ、とにかくさぁ

 

バレた。嫁に。

 

どう乗り切る?

 

こういうことなのよ。

んじゃ、いってみようか。

今なんか言ってなかった?

俺「ななななにが?」

 

嫁「いや、今ひとりでなんか言ってたよね?」

 

俺「え?え?言ってないよ?」

 

嫁「いや絶対言ってたしょ」

 

俺「テ、テレビじゃない?」

 

嫁「大体、洗面所でなにしてたの?」

 

俺「え、あぁ、それはね、歯磨き粉…見てた…」

 

嫁「歯磨き粉見てた?」

 

俺「いやクリニカかー、これはクリニカなのかーって。俺はオーラツー派なんだよなぁ…しかし何度見てもクリニカかーって。いやこれは果たしてクリニカなのか?クリニカに見せかけたガードハローか?っつって。ハハハハ…」

 

嫁「無理あるよ?大体、NONIOだし」

 

俺「・・・・・・」

 

嫁「聞いてたから。全部」

 

俺「え、え、どしたぁ?嫁ちゃんどしたぁ?なんか怒ってる?嫁ちゃんどしたぁ?」

 

嫁「風が止まった…w」

 

俺「わー!わー!わー!え、どしたぁ?嫁ちゃんどしたぁ?なにが?風ってなんのこと?嫁ちゃんどしたぁ??」

 

嫁「なにかwwくるwwww」

 

俺「ゲェッホ!ゲホォ!あれ風邪かなぁ?ゲホゲホゲハハッ!!」

 

 

嫁「なんもこねぇよ!バーーーーカ!!!」

 

 

俺「…おまっ…言ったな?言っちゃならねぇこと口にしたな?」

 

嫁「いい歳して何やってんの?」

 

俺「だからなにがぁぁああ!?さっきから何言ってんのか全然わかんないんですけどぉぉおおお!!??」

 

嫁「さすが風を止める男www」

 

俺「・・・・・・」

 

嫁「無風ってことねwつまりは風速ゼロメートルとwww」

 

俺「ちょ…どしたぁ?俺なんかしたぁ?」

 

嫁「知らぬ存ぜぬで乗り切れると思うなよ?」

 

俺「いやだから、なにがぁ…」

 

嫁「政治家の手法は通じないからな?蓮舫並みに追及していくから」

 

俺「あ、前髪切ったぁ?」

 

嫁「切ってねぇよ。要するにさぁ」

 

 

嫁「かっこつけてたんでしょ?」

 

 

俺「え、え、なにがぁ?かっこつけるってなんのことぉ?嫁ちゃん今日変じゃなぁい?」

 

嫁「いや認めたらいいやん。かっこつけてたって。かっこつけたい時だってあるんでしょ?男って」

 

俺「いやまぁ、かっこつけたいタイプの男は一定数いるんじゃないかなぁ?俺は違うけど!俺は違うからあくまで推測の域を出ないけど!中にはいると思うなぁ!」

 

嫁「いや素直になったらよろしいですやん?別にかっこつける男、嫌いじゃないよ?私」

 

俺「…え、ほんと?」

 

嫁「うん」

 

俺「いや実は…」

 

嫁「ブフォwww」

 

俺「・・・・・・」

 

嫁「いやごめんごめんw」

 

俺「まぁ、気の迷いっつっかー、なんとなーくだけど、ちょっとだけだけど…」

 

嫁「ブフォwww」

 

俺「…バカにしてるよね?」

 

嫁「いやしてないしてない!マジごめんマジごめんってww」

 

俺「…かっこつける男バカにしてるよね?」

 

嫁「・・・・・ブフォwww」

 

俺「はいしたー!完全にバカにしましたー!黙秘しまーす!僕、黙秘しまーす!」

 

嫁「なにか…くる…wwwwww」

 

俺「・・・・・・」

 

 

嫁「嫁がきてんじゃねぇか!バーーーカ!!」

 

 

俺「はぁ?はぁぁぁぁあ!?」

俺「何それ?何それ!?そんなこと言ってないけど!?さっきからなんなん!?どうしたいの!?あなた男のプライドをズタズタにするのが好きな小悪魔ちゃんですか!?それが許されるのはゆきぽよのみだからなぁ!?勘違いすんじゃねぇよ!貴様ゆきぽよの足元にも及ぶと思うなよ?ゆきぽよが!ゆきぽよであるがゆえ!みちょぱは存在する!!そういうことですから!!おわかりですかねぇぇええ!!??」

「かっこつけるぅ?はぁ?それが俺になんのメリットがあるの!?メリットっつってもシャンプーじゃねぇからな?そこんとこよろしくぅ!!大体さぁ、俺はメリット派じゃねぇから!俺が愛されるよりも愛したいそんなシャンプーそれすなわちパンテーンモイストスカルプなんちゃらぁぁああ!!ツバキも捨てがたいですけどねぇ!?余計な成分などないよねぇってチャゲアスか貴様コラァァア!!SAY YES?はぁ?そろそろNoと言える日本人目指そうやぁ!?日本人変わろうやぁ!!365日グミ食えますか?答えはNo!!」

「大体よぉ、シャンプーだリンスだってどうでもいいんだ、んなこたぁよぉ!!こちとら牛乳石鹸ひとつありゃ楽勝だオラァ!!牛乳?はぁ?牛、てめぇコラァァア!食べてすぐ寝れば牛になる?はぁ?科学的根拠はあるんですかねぇ?科捜研の女ですかあなたは?沢口靖子じゃねぇなら黙っててもらえるかなぁぁあ!?っざっけんじゃねぇよぉ!!ねるねるねるねの水の分量、大幅に間違ったろかい!コンビニ弁当温めて冷めてから食ったろかいコラァァァアアア!!!どうでしょうか?こんなもんでどうでしょうかぁぁああ!!??」

 

 

俺「はぁ…はぁ…」

 

嫁「気が済んだ?」

 

俺「・・・と、とにかく!俺はかっこつけてねぇからな!」

 

嫁「あっそ、じゃあこれ」

 

 

ボイスレコーダー

「…この国で…年間何人の行方不明者が出てるか知ってるか?」

 

 

俺「・・・・・」

 

 

嫁「ブフォwwww」

 

 

結論:昨日も聞かれてた。

 

おしまい。

 

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